DC/DCの時代が来た(当社比)

121029a2きっかけは、装置の電源レギュレータが熱くなっていることだった。ENC42J600でネット接続機能を持っている回路だったので発熱を指で確認しているとENC42J600は少し熱い程度だったが電源レギュレータが触れないぐらい熱い。計算すると発熱量は12VのACアダプタを使っていたので、電流が200mAだとして、 (12V-3.3V)*200mA = 1.74Wで熱くなるのは当然だ。とりあえず6VのACアダプタに交換して対応した。

電源レギュレータが熱くなるのはイヤだなぁ、ACアダプタを細かく選ぶのもイヤだなぁと思っていた時にトラ技2012年7月号の特集「徹底調査!売れ筋No.1」でDC/DC用ICが簡単に使えそうなのを知り試すことにした。

降圧型DC-DCコンバータ売れ筋No.1のLM2675Mを検討するが約350円/個と高い。降圧型DC-DCコントローラのNo.1 トレックス・セミコンダクターのXC9221A095MR-Gはdigikeyで100円ぐらいだし小型だし国産ということで気に入った。Cissが小さいFETを選ぶ必要があるらしいが、電流が少なくてもよければ、小さいFET、コイルと組み合わせてコンパクトに実装できそうだ。500mA出力の回路をstm32f405モジュールに搭載してみた。あとLED電光掲示板用に3A出力の電源モジュールものも作成してみた。コイルは必要なスペックのものをdigikeyから注文した。

動くか心配だったが、基板が来て実装すると、あっさりと動いた。しかし、装置に組込み実際に動作させるとトラブルが発生。

問題は耐圧不足。XC9221の耐圧は16Vだが、12Vの電源で使用すると 何回かに一度壊れるという現象が発生した。壊れ方には幾つかのパターンがあったが、最悪のパターンではFETが導通状態となり3.3Vの電源に12Vが印加され、そのラインに接続されているICが全部壊れるという悲惨なことが起きた。

原因は、電源投入時に12Vラインのインダクタンスとスイッチのからみで、24Vのパルスが発生しているのではないかを疑い、機械式スイッチをやめて電子式スイッチを使用するようにしたが、現象が収まらない。同じ12Vを入れ,xc9221で回路を組んだLED用のDC/DCでは現象が起きないことから、FETの耐圧を疑うとソース・ゲート間の耐圧が8Vしかないことが判明。(;´д`)トホホ…。対策としてFETを同形状で耐圧20Vのものに変更した。

超3端子レギュレータ

LED電光掲示板用のDC/DCにはメリットが多い。まずLEDに合わせて電圧を調整できるという点。使用するLEDの種類でVfが1.7V~4V程度の範囲で変化するするが、これを自由に調整できるのでLEDドライバの発熱を少なくできる。

変換効率が高いので、4Vで3A出力しても、入力は12V1Aぐらいで済むというのも大きな利点だ。LEDが多くなると、どうしても電流も大きくなるが、12Vから変換することで電流を少なくすることができる。このLED用電源モジュールはMFT2012で展示した光る筒でも2個使用している。

先日、秋月電子で超3端子電源レギュレータという名前の3端子DC/DCコンバータが発売され話題になった。3.3V500mAで250円の奴とか安いし使いやすそうだ。他にも便利そうなDC/DCモジュールが多数販売されている。

シリーズ・レギュレータ使って許されるのは小学生までだよねー」と言われる時代が来るかもしれない。でもまぁ、特に電気を喰うものがない回路ではCPUがあっても、50mAも流れないことが多いので、こういう場合8個で100円のシリーズレギュレータで十分だ。場面に応じて色々活用していきたい。

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