h_nari @ 熊本市のブログ。電子工作、プログラミング、ゲーム、TV、 政治、インターネットなどに日々の思い付きを、 うだうだ~と書いていきたい。
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動画:日本に原子力潜水艦は必要か?

オオカミ少佐【元海上自衛隊幹部が解説・考察】日本に原子力潜水艦は必要か? という動画を見た。 知らなかったことも多く、 ためになる動画なので紹介する。

動画の内容

  • 5:02 通常型潜水艦の速度は 20ノット(36km/h)、原潜は30ノット(54km/h)。 通常型は電池容量に限りがあるので速度を出さない。
  • 7:10 訓練では活動領域を限定するので原潜と通常型の性能差は出にくい。
  • 8:20 速度の3乗で電力消費が増えるので通常型の通常速度は10km/h程度。
  • 14:00 日本に原潜が必要な理由。ソ連相手の時は いくつかのチョークポイントに待ち伏せという戦術が使えたが、 中国相手ではチョークポイントが無いので使えないし、 作戦領域が広いので遅い通常型は不利。
  • 17:30 原潜は高価。通常型のおやしお型は500億円、そうりゅう型600億円、 たいげい型800億円に対し、米海軍の最新攻撃型原潜バージニア級は 27億ドル。本日のレート145円/$で換算すると約4000億円。
  • 19:00 NTP(核兵器不拡散条約)では、核物質を非爆発的軍事用とに使用することを 禁止していないし、査察の例外にもなる。
  • 21:00 核燃料が核兵器に転用されていないことをIAEAに立証する必要がある。 それには原潜を核保有国から借りる方法があるが、定期検査等のたびに 戻す必要がある。インドはロシアからリースしたが大変だったらしい。 また、兵器に転用不可能な低濃度な核燃料を使う方法もあるが、 10年程度ごとに燃料を交換する必要がある。
  • 28:00 原潜を持てば事故は起こるだろう。 ソ連の ノベンバー級原潜は1960年代 たびたび原子力事故を起こしている。 米国も1968年 ソードフィッシュ、1971年 ウッドロー・フィルソンなど 事故を起こしている。その時、日本政府は耐えられるか?
  • 30:30 現在日本は神戸の川崎重工と三菱重工で毎年1隻づつ交互に 通常型潜水艦を進水させている。利益が多い商売ではない。 もし原潜を外国から購入すれば、この通常型の新造艦が減るか 無くなることは必至。そうなると企業が撤退し、日本から 潜水艦製造技術が失われてしまう。 よって原潜は国内開発すべきである。

感想

日本が原潜を導入する場合、オーストラリアのように 米国から買うものだと考えていたので、 そうすると日本の潜水艦製造技術が失われるという指摘に ハッとさせられた。 通常形潜水艦が電池容量の問題があるので 速度を出せないというのも、ちゃんとは理解していなかった。 領域が限られた訓練では原潜と通常型の性能差が出にくい というのも初めて知った。 訓練で原潜といい戦いをしたからと言っても あまり意味があることではないと認識しなければいけない。

この動画を見てしまうと、自前で原潜を製造できるように なるしかない、という意見になる。 米国から技術を買うのもいいが 超小型原子炉などを使って 作れないだろうか。 インドも アリハントという国産原潜を 2009年に進水、2016年に就役させている。

原潜を国内開発するとなると 原子力船むつの母港問題が思い出される。 ウィークジャパン派は当然ここを攻めてくるだろう。

対策として以下のものはどうだろう

  • 国内のどこかに、かなりの面積を国有地として買い上げ、 自衛隊の イージス・アショア、原潜母港などの施設を置き、 残りを自衛隊の演習場とする。
  • 自衛隊法に、自衛隊が地方自治体の条例等による制約を受けないという 規定を追加する。
  • NHK等で週に2~3時間程度、政府の広報を行う番組を放送する。 ニュース形式のもの、ニュース解説的なもの、討論番組、 ドキュメンタリー形式で国民の意見を吸い上げている風の番組(NHKが得意なやつ)。 これらの番組で政府が行おうとしていること、 問題だと思っていることを説明し、 マスコミの偏向報道で誤解されていることを正す。

原潜を購入するにせよ、開発するにせよ 実戦配備は10~20年後になる。 それまでに中国問題は片付いている可能性はあるが、 片付かずに残っている可能性も高い。 気の長い準備が必要だ。